今回は「卯月」4月の和風月名です。
4月は新学期の始まり。
この月も切り替わりスタートの月です!
では、「卯月」について紐解いてまいります。
二十四節気では、晩春の「清明・せいめい、穀雨・こくう」などの頃です。
卯月
卯月は、現在では「うづき」とも「うつき」とも読まれますが、調べても辞書によっては「うつき」では出てこない物が多いです。
陰暦、太陽暦の4月・一年の4番目の月。
英語では、April(エイプリル)
和風月名の名前の由来は、「卯の花の月」ということからが始まり。
現在の日常では花が咲き乱れて春たけなわの月。
卯という漢字
和風月名の「卯月」に使われるようになった漢字の「卯」
漢字の意味にはいろいろ。
・兎・4番目と言う意味を表す。
子・丑・寅・卯~と数える干支の4番目に卯年がありますね。
兎という意味と、昔の数の数え方の4番目と言う意味。
・東の方角を表す。
東の方角は、昔の12の干支での数え方で、方位を時計周りに当てはめると0:00の方角を子、1:00の方角を丑、2:00の方角を寅、3:00の方角を卯となります。
・時刻を表す。
方角と同じ考え方ですが、時間の場合は24時間あるので、12の干支を2時間ごとに当てはめます。
干支の「子」は23:00~1:00から始まっていき、卯の刻とは、早朝の6時ごろ、午前5時~7時の間の事を卯の刻と割り当てています。
昔の時刻の数え方は、午前0:00を真夜中、正午12:00を真昼中と分け、干支を当てはめて時を数えていました。
卯の花
卯の花と言えば・・・?
卯の花は、「空木・ウツギ」と言って、アジサイ科、又はユキノシタ科の落葉低木。
日本各地にも見られて、庭の周りや家の生け垣などに利用されている可愛い小粒の白い花が集まって咲く木です。
この可愛い花は、良く見ると小さな小さな百合のような花びらが集まってますね。
名前の空木というのは、古くなってくると茎の中が空になってくることからきています。
それでも材質は固く、楊枝や木の釘として利用。
ところで、卯の花と言えば、「おから」を思い出す私。
これって、私だけではないですよね。(笑)
この卯の花の由来はいくつかあって、おからの事を「お空」と連想するのを嫌って、空木の花の事をとってつけた洒落っ気たっぷりな言葉とか。
おからのぽろぽろした状態が、花を密集させて咲く卯の花と似ていて連想させることからついたとか。
こんな風に「卯の花」の”おから”が4月に関連するとは意外。
卯月八日
言い伝えによると、旧暦の4月8日は、お釈迦様の誕生日。
「灌仏会・かんぶつえ」と言う釈迦誕生の祝いの仏教行事が執り行われています。
寺院や神社では毎年祝う会なる物が催されるようですが、現在の4月8日としてこの日に行うのは日本だけ。
アジアでの仏教行事としては、旧暦日にお祝いの会を行っています。
エイプリルフール
4月1日・直訳して四月馬鹿なんて言ったりしますね。
このエイプリルフールは、4月の1日の終日の事で西洋の風習、この日に限っては嘘をついてもいいという一日と言われています。
ただしこの嘘には、悪意や罪がない嘘という事が大前提。
エイプリルフールの事を「万愚節・ばんぐせつ」と言うとあり ⇔ 11月1日の「万聖節・ばんせいせつ」に対比の名づけとされ、日本に入ってきたのは大正時代の事でした。
「万聖節」の前日がハロウィンです。万聖節を知るにはハロウィンは不可欠なイベント。
興味のある方は、是非⇩の参考記事をご覧いただけると嬉しいです。
4月1日になったのには、さまざまな由来があるようですが、内容はどれも戒めや故事、苦行を忘れないための説とされているのが印象的。
悪意や罪のない嘘をついても許される日の風習がもたらす、ちょっとした驚きでの面白さや、くすっと笑えるような出来事、人々にとって笑顔に変わる時間を運んでくることに嘘が利用されるといいですね。
新学期
4月の桜が散り始めるころ、新学期の始まり。
入学式や入社式、新しい場所、環境が変わってスタートを切る人も多い月。
気候も良いので気持ちが新しい何かへ向かって進んでいけるような気持になる事も多いと思います。
窓を開けて風も心地よく、風に乗って花の香りも感じられそう。
4月には新とつくものが結構多いですよね。新学期・新入学・新生活・新番組・新登場・新入り?とか(笑)
期待と不安が交じり合う気持ちや感覚を良い方向へ導いてくださいね。
これから先の未来に何を起こそうかと考えるのなら、そんな時はあまり不安にならずに、新鮮さを感じる事や4月しかない春を是非見つけて下さい。
4月1日は日本では早生まれ
もう一つ、4月1日についての疑問。日本には早生まれと言う言葉があり、1月1日から4月1日生まれの人を指します。
どうして日本の4月1日生まれの人は早生まれなの?について。
新学期の区切りは4月1日からなのに、その当日が誕生日の人は早生まれに当てはまる日本の決め方。
その部分は漠然としていました。
それは、日本の学年の決め方にあり、決定する日が3月31現在での年齢で決まるから。
それには、満年齢の数え方が関係。
4月1日に生まれると、4月1日に年齢の1日目が始まり~3月31日にその年齢の最後の日を迎える。この時点で満年齢になります。
すなわち、4月1日の新年度に学年が上がるには、3月31日に年齢の最後の日に達していることが前提なのです。
という事で、4月2日生まれの場合は、4月1日が満年齢で遅生まれに当たり次の学年になる仕組み。
当てはめると、小学1年生の場合、4月1日時点では学年全員が6歳(4月2日生まれを除いて満年齢ではない)と言う訳です。
それにしても幼い時の一年は大人の一年と比べるとかなりの成長に差が出てきます。
0歳児と1歳児くらいの差だと、まだミルクしか飲めなくて首もしっかりしていない赤ちゃんと、歯が生えてきてよくしゃべってちょっとくらいなら歩いているかもしれない赤ちゃん。
この差の大きさで同じ学年になっているのですから、差があって当たり前ですよね。
まとめ
4月・卯月についてここまで書いてきました。
他の月では気づかなかった4月にしかない干支の数え方なども出てきましたね。
こうしてみてくると和風月名って面白い。
季節の巡りは徐々に変化するけれど、一年を通してその月に感じる事や想いは生きてきた中で自然と触れ合いながら大体身体が覚えて行きます。
日本は季節によって生かされている国だと実感しますし、こういった記事を調べて発信する中で自分の気持ち的にも観る方向に変化があり見える物事も増えてきました。
海外の人にも愛される日本。
季節の移り変わりや暦の中の存在する言葉やその意味。
情緒あふれる風景も四季に彩られた美しさがありますね。
4月は咲き誇る花々が一段と増える月です。
そういったことを意識して日々の楽しみに和風月名を知るきっかけを。
つぶあん
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